新時代の家族が選ぶ!これからの家づくり大研究2025#column
この記事を読めば分かること
この記事では、日本全国で話題の最新住宅トレンドを徹底解説します。変化する家族のカタチに合わせた間取りの進化、スマートな収納術、時短家事を実現する工夫など、実際に住んでいる家族の声とともに紹介。家づくりを考えているあなたに、予算内で最高の住まいを実現するためのアイデアが満載です。住宅展示場に行く前に、ぜひチェックしてください!
はじめに
「ただいま〜!」と元気に帰宅した中学生の娘。玄関で靴を脱ぐと、そのままシューズクローゼットに収納し、手もさっと洗います。リビングではお父さんがノートパソコンで仕事の続きを、キッチンではお母さんが夕食の支度をしながら「今日学校どうだった?」と声をかけます。
10年前、こんな家族の風景を想像できたでしょうか?
テレワークが当たり前になり、共働き家庭が増え、家での過ごし方が大きく変わった今、私たちの「理想の家」も驚くほど変化しています。
私は住宅雑誌の編集者として、この5年間で全国300軒以上の新築住宅を取材してきました。そこで気づいたのは、「家づくりの常識」が完全に書き換えられているということ。特に子育て世代の間取りや設備の選び方には、はっきりとした新しいトレンドが見えてきました。
昔ながらの「広いリビングと個室が多い間取り」より、今は「コンパクトで無駄のない」家が主流。理由は建設費の高騰だけでなく、家族のライフスタイル自体が変わったからなんです。
でも心配しないでください。限られたスペースでも、家族の理想を実現する素敵なアイデアがたくさんあります!この記事では、新しい時代の家づくりのポイントを、あなたも真似できる実例とともに紹介していきます。
お金も空間も賢く使う!小さくても快適な家づくりの秘訣
10年で住宅コストはこんなに上がった!あなたの予算で建てられる家は?
「家を建てようと思ったら、親の頃より1.5倍も予算がかかるって聞いて驚いちゃった」と話すのは、新築一戸建てを建てたばかりの佐藤さん一家です。
実は、この10年で住宅の建築費は急上昇しています。全国平均で見ると、2014年には坪単価約58万円だったものが、2024年には約82万円と1.4倍以上に!一方で、新築住宅の平均面積は約38坪から約35坪へと小さくなっています。
つまり「より高いお金を払って、より小さな家を建てる」という現実があるのです。でも、そんな状況でも快適な住まいを手に入れた家族たちがいます。どんな工夫をしているのでしょうか?
「個室信仰」からの卒業!家族のつながりを大切にする新発想
「子どもたちには広い個室よりも、家族と過ごす時間を大切にしてほしかったんです」そう語るのは、都内で32坪の住宅を建てた山田さん家族。
以前は「子どもには6畳の個室を」が当たり前でしたが、最近は子ども部屋を4.5〜5畳程度の小さな空間にして、その分リビングやダイニングなど家族共有のスペースを充実させる家庭が増えています。
山田家では子ども部屋は「寝るだけの場所」と割り切り、勉強はリビングの一角に設けた家族共有のスタディコーナーで行うスタイルを採用。「子どもたちの様子が自然と目に入るし、困ったときはすぐに相談できるから、勉強の効率も上がった気がします」と山田さんは笑顔で話します。
隠れ家のような個室よりも、家族の気配を感じながら過ごせる空間づくりが今のトレンド。あなたが家づくりをするなら、どんな空間配分がいいですか?
収納革命!「ファミリークローゼット」が家事の常識を変える
「朝の支度がスムーズになって、イライラが減りました」と話すのは、大阪で新築した鈴木家の奥さん。家族5人分の衣類をすべてランドリールーム隣の大きなクローゼットにまとめて管理しています。
従来の「各個室にクローゼット」という発想から、「一か所にまとめる」という方向へ。これが「ファミリークローゼット」です。洗濯物を干す場所のすぐ隣に設置することで、洗濯→乾燥→収納の流れがスムーズになり、家事の時間が大幅に短縮できます。
さらに進化系として注目なのが「ウォークスルークローゼット」。通路を兼ねた細長いクローゼットで、寝室と廊下をつなぐ動線上に収納を配置するアイデアです。
「最初は変わった間取りだと思ったけど、使ってみると本当に便利。スペースの無駄がまったくないんです」と話す田中さん。省スペースながら使い勝手抜群の収納アイデアは、コンパクト住宅の強い味方です。
あなたの家の収納はどうですか?洗濯物の行方を追いかけ回す日々から卒業する時かもしれませんよ。
家で過ごす時間が増えた今こそ!居心地のいい空間づくり
新型コロナが変えた!家の中での感染対策はもう常識
「玄関を開けて、まず何をするか」と問いかけると、小学生の息子さんが「手を洗う!」と元気に答えてくれた伊藤家。玄関ホールに設置された小さな手洗い場は、今や新築住宅の定番アイテムになっています。
コロナ禍を経験した今、家の中での感染対策は新しい生活様式として定着。玄関では靴だけでなく上着も脱ぎ、専用のシューズクローゼットに収納します。外で触れたものを家の奥まで持ち込まないという考え方は、インフルエンザなど他の感染症対策にも有効です。
「子どもたちが帰宅後すぐに手を洗う習慣が自然と身についたのは、この手洗い場のおかげ」と伊藤さんは言います。来客用としても重宝するこの設備は、家族のプライベート空間である洗面所に来客を通さなくて済むというメリットも。
小さな工夫が家族の健康を守る鍵になるかもしれません。あなたの家の玄関にはどんな工夫がありますか?
テレワークでも集中できる!仕事と生活の境界線を作る空間設計
「自宅で仕事するのって、最初は本当に大変でした」と話すのは、週3日のテレワークをしている中村さん。リビングでパソコンを開いていると、子どもの声や生活音で集中できないことも多かったそうです。
そこで新居では、リビング横に2畳ほどの小さな書斎スペースを確保。引き戸で仕切ることで適度にプライベートな空間になり、オンライン会議も気兼ねなくできるようになりました。
「完全に隔離されているわけじゃないから、家族の存在を感じながらも仕事に集中できるバランスがいいんです」と中村さん。壁には防音材を入れ、背面には本棚を設置するなど、限られたスペースを最大限に活用しています。
テレワークが定着した今、「家で仕事をする」ための空間づくりは多くの家族の関心事。あなたなら、どんなワークスペースがあると集中できますか?
家でも外気を楽しむ!プチ贅沢な「アウトドアリビング」
「休日は外食よりも、自宅のウッドデッキでバーベキューが定番になりました」と笑顔で話すのは、神奈川県で新築した高橋家。リビングからウッドデッキにつながる大きな開口部が、室内と屋外をシームレスにつなぎます。
コロナ禍を経て、「家でも外の空気を感じられる場所」の価値が再認識されました。ウッドデッキやテラス、中庭などのアウトドア空間は、家族だけのプライベートな「お出かけ場所」として人気を集めています。
「冬は室内から雪景色を眺め、春になればデッキに出て朝食を取ることもあります。四季を感じられるのが一番の贅沢かも」と高橋さん。
庭がなくても、ベランダや屋上を活用したちょっとしたアウトドアスペースが、家での時間を豊かにしてくれます。あなたの理想の「アウトドアリビング」はどんなイメージですか?
自分だけの居場所「ヌック」で心の余裕を作る
「家族と一緒にいたいけど、少し自分の時間も欲しい...そんな矛盾した気持ちを満たしてくれる場所です」と話すのは、階段下のスペースを活用した「読書ヌック」を愛用する木村さん。
「ヌック」とは、家の中のちょっとした小空間のこと。窓辺や階段下などのデッドスペースを活用し、ソファやクッション、本棚などを配置した小さな寛ぎの場所を指します。
完全に隔離された個室とは違い、家族の気配を感じながらも「自分だけの時間」を楽しめる中間的な空間。子どもたちの読書スペースにしたり、大人のコーヒータイムを楽しむ場所にしたり、家族それぞれの使い方があります。
「子どもたちも『自分の城』として気に入っていて、友達が来たときも真っ先に見せたがるんですよ」と木村さんは笑います。
あなたの家にも、こんな特別な場所があったら素敵ですね。どんな「ヌック」があったら嬉しいですか?
忙しい共働き家庭の味方!時短家事を実現する間取りと設備
キッチンは家族の中心!みんなで料理が楽しめる空間設計
「以前は狭いキッチンで一人で料理していましたが、今は夫も子どもも自然と手伝ってくれるようになりました」と話すのは、アイランドキッチンを採用した岡田さん家族です。
最近のキッチンは、「一人で効率よく料理する場所」から「家族みんなで協力する場所」へと変化。対面式やアイランド型が主流となり、複数人が同時に調理できるスペースが確保されています。
大型の食洗機も標準装備になりつつあり、洗い物の負担が大幅に軽減。「食洗機のおかげで、食後の時間を家族との会話に使えるようになりました」と岡田さんは満足げに話します。
キッチンは単なる調理場ではなく、家族のコミュニケーションの中心地。あなたなら、どんなキッチンで家族との時間を過ごしたいですか?
買い物は週1回!食材のストック術と「パントリー革命」
「週末にまとめ買いした食材や日用品をすっきり収納できるようになって、平日の負担が本当に減りました」と話すのは、仕事と子育てに忙しい前田さん。
共働き家庭の増加に伴い、週末にまとめ買いをする家族が増えています。そんな生活スタイルを支えるのが「パントリー(食品庫)」です。キッチン近くに設置されたパントリーは、大量の食材や調味料、ストック品を整理して収納できる優れもの。
「扉を開けると、一目で何が足りないかわかるように収納を工夫しています。子どもたちも『これないよ』とリストを作ってくれるようになりました」と前田さん。
さらに進化形として、冷蔵機能付きのパントリーや「セカンド冷蔵庫」を設ける家庭も。野菜や飲料などの大量買いも安心して保存できます。
効率的な食材管理は、家事の負担軽減に直結します。あなたの理想のパントリーはどんなイメージですか?
洗濯→干す→しまうが一直線!最短動線の家事ラク設計
「洗濯物をもって家中を歩き回る日々から解放されました」と話すのは、ランドリールームとファミリークローゼットを連続配置した川島さん家族。
洗濯機で洗った衣類をその場で干し、乾いたらすぐ隣のファミリークローゼットにしまう。この「洗う→干す→しまう」という一連の流れを最短距離で完結させる間取りが、今や共働き家庭の定番です。
さらに、天候に左右されずに洗濯を完了させるガス式衣類乾燥機「乾太くん」などの導入も一般的に。「朝洗濯機をセットして出勤し、夕方帰ると乾燥まで終わっている。これだけで生活の質が変わりました」と川島さんは言います。
洗濯一つとっても、間取りの工夫で大きく時間短縮ができます。あなたの洗濯動線は効率的ですか?
お掃除ロボットとの共存設計!家事の自動化を後押し
「掃除機をかける時間が週に何時間も減って、その分子どもと遊ぶ時間が増えました」と話すのは、ロボット掃除機を愛用する松本さん家族。
今や多くの家庭に普及したロボット掃除機ですが、新築時からその存在を考慮した間取りも増えています。階段下などのデッドスペースを活用した専用充電スペースを確保したり、床の段差を最小限に抑えた設計にしたりと、ロボットがスムーズに動き回れる環境づくりが進んでいます。
「掃除機が行き来できるように、ドアの敷居をなくしてフラットな床にしました。意外と重要なポイントです」と松本さんはアドバイスします。
テクノロジーの進化と住宅設計の融合は、私たちの暮らしをどんどん便利にしています。あなたの家は、ロボットと共存できる設計になっていますか?

未来を見据えた賢い選択!変化に強い住まいづくり
平屋が再ブーム!コンパクトだけど快適な平屋の魅力
「将来のことを考えると、階段のない暮らしは本当に安心です」と話すのは、40代で平屋建ての住宅を選んだ吉田さん家族。
子育て世代でも平屋を選ぶ家庭が増えています。理由は「将来の使いやすさ」。子どもが独立した後の使われない部屋や、老後の階段上り下りの負担を考慮した先見の明です。
「狭くなるのでは?と心配でしたが、吹き抜けや勾配天井を取り入れることで、コンパクトでも開放感のある空間になりました」と吉田さん。平屋は2階建てよりも基礎面積が大きくなるため、建築コストのバランスを考えると25〜30坪程度のコンパクトサイズが人気です。
将来を見据えた住まい選びは、長期的に見れば大きな安心につながります。あなたは将来のライフステージの変化をどう考えていますか?
「持たない暮らし」を叶える!ミニマルライフにフィットする住まい
「モノを減らしたら、不思議と心にゆとりが生まれました」と話すのは、26坪のコンパクトな家に4人家族で暮らす野村さん。
最小限のモノで豊かに暮らすミニマリスト志向は、住宅設計にも影響を与えています。常に使う部屋だけをつくり、「人が通るためだけの廊下」を極力減らした効率的な間取り。成長に合わせて用途を変えられる可変性の高い空間設計が人気です。
「子どもの成長に合わせて間仕切りを変えられるよう、構造壁を最小限にした設計にしました」と野村さん。結果として、シンプルで効率的な小さな住まいが実現しています。
モノが少ない暮らしは、掃除や片付けの時間も短縮できるメリットも。あなたにとって「必要なもの」は何ですか?
エコで災害に強い!自給自足型住宅の最前線
「大きな停電があったとき、我が家だけ電気が使えて、近所の方の携帯充電に協力できたんです」と話すのは、太陽光発電と蓄電池システムを導入した加藤さん家族。
環境への配慮と災害への備えを兼ねた「自給自足型住宅」への関心が高まっています。太陽光発電システムや蓄電池の導入、自然の空気の流れを活用した換気システムなど、エコで災害に強い設備の採用が進んでいます。
「初期投資は大きいですが、長期的に見ると電気代の節約になりますし、何より災害時の安心感は計り知れません」と加藤さん。特に大規模停電を経験した地域では、自家発電システムへの関心がより高まっています。
地球にも家計にも優しい住まいづくりは、これからの時代の必須条件かもしれません。あなたの家づくりでは、どんなエコ対策を考えていますか?
暖房革命!全館暖房の新しいカタチ
「冬でも家中どこにいても均一に暖かい。それなのに光熱費は前より下がりました」と驚くのは、エアコン一台で全館暖房を実現した小林さん家族。
従来の石油ストーブやセントラルヒーティングから、高効率エアコン暖房への転換が進んでいます。高断熱・高気密住宅の普及により、少ないエネルギーで家全体を快適な温度に保てるようになりました。
「暖房器具が少ないので家具レイアウトの自由度が高まり、掃除も楽になりました」と小林さん。また、近年は夏の暑さも厳しくなっており、冷房や除湿機能も備えたエアコンは一年を通して快適な室内環境を維持できる設備として注目されています。
省エネと快適性の両立は、現代の住まいづくりの大きなテーマです。あなたはどんな暖房計画を考えていますか?
まとめ:あなたらしい住まいづくりのヒント
この記事では、変わりゆく時代の中で進化する住まいのトレンドを紹介してきました。建築費の高騰によりコンパクト化が進む中で、より効率的で無駄のない間取りや設備が求められています。また、テレワークの定着やコロナ禍を経験したことで、家での過ごし方も大きく変わりました。
重要なのは、流行りだけを追うのではなく、あなたの家族のライフスタイルに合った住まいを選ぶこと。家事の効率化、家族のコミュニケーション、将来の変化への対応など、優先すべき点は家族によって異なります。
新築の家は一生に一度の大きな買い物。「今」だけでなく「将来」のことも考えた選択をすることで、長く快適に暮らせる住まいを実現できるでしょう。
この記事があなたの家づくりのヒントになれば幸いです。理想の住まいで、素敵な毎日を過ごしてくださいね。