新築なのに電源難民!?見落としがちな“コンセント設計”の落とし穴#column

この記事でわかること

  • 新築住宅で起こりがちな電源配置の失敗とは?
  • 家電と暮らしの関係が“間取りの質”を左右する理由
  • コンセント設計で後悔しないための実践ポイント
  • 展示場見学で得られる「気づき」とは何か?

序章:見落とされた「快適さのカギ」

家を建てるとき、誰もが間取りや収納、設備のデザインに夢を膨らませます。しかし、その陰で見逃されがちなものがあります。それが「電源の配置」です。

目立たない存在ながら、コンセントは暮らしの快適さを左右する重要なインフラ。これを軽視すると、せっかくの新築が“延長コードだらけの家”になりかねません。

今回は、電源設計の落とし穴に陥ったある家庭の実例をもとに、同じ失敗を防ぐための考え方と対策をお届けします。

【1】電源争奪戦のはじまり:理想と現実のギャップ

都内から郊外に移住し、念願の一戸建てを手に入れた山田さんご一家。5人家族で広々とした暮らしを始めるはずが、入居後すぐに意外なストレスが。

それは、「電源の取り合い」。

リビングの一角には3本もの延長コードが常設され、掃除ロボット、スマホ充電器、空気清浄機、ライト類がせめぎ合い。スッキリした空間のはずが、コードに囲まれた景色に。

「設計中は、電源なんて“数が多ければいい”と思ってたんです」と、山田さんの奥様は振り返ります。

【2】現代の家電は“電源を選ぶ”時代

今や家庭にある家電の種類も、使い方も大きく変わっています。

  • 掃除ロボットは“基地”の確保が必要
  • スマート家電は通信環境も含めた設置場所選びが重要
  • ワイヤレス充電器やノートPCは“使いやすい場所”が命
  • 壁掛けテレビと連動するオーディオ機器は配線の計画必須

古い常識のまま電源を配置してしまうと、すぐに対応できなくなってしまいます。

山田家でも、テレビ周りの2口コンセントはすぐにパンク。結果、複数の電源タップを使う羽目に。

【3】“あとから気づいた”電源ポイント

山田さんご夫婦が「ここにも電源が欲しかった!」と悔やんだ場所を聞いてみると、こんな声が。

  • リビングのソファ付近:スマホやPCの充電場所が欲しい
  • ダイニング下:ホットプレートや加湿器の利用時に不便
  • 洗面所の壁上部:除湿機やヒーターの設置に困る
  • 子ども部屋のベッド脇:充電と照明用に必須だった
  • 階段下の物入れ:掃除機の充電場所として使いたかった

さらに、スイッチの位置でも後悔が。

「玄関の明かりが寝室側から消せない」「廊下の照明スイッチが部屋の奥にあって面倒」など、毎日のちょっとした不便が、暮らしのストレスに。

beige puppy lying on brown textile

【4】設計図には見えない「動線と電源のリアル」

家を設計しているときは、生活の動きが“想像”のまま終わってしまいがち。山田さんも、「モデルハウスで実際に動きながら考えるべきだった」と後悔したと言います。

見学時に注目すべきは、見た目より「どこで何を使うか」を体感すること。

  • キッチン裏のパントリーに家電用コンセントがあると便利
  • 階段の途中に照明スイッチがあると安全
  • ベランダの防水コンセントで作業がしやすくなる
  • 柱や棚にUSBポートが組み込まれている設計も増えている

このような“気づき”は、紙の図面では決して見えてこないものなのです。

【5】後悔しない配線計画の進め方:実践チェックリスト

以下のステップで、電源設計の失敗を未然に防ぎましょう。

1. 家族の1日の生活を具体的にシミュレーション

起床〜就寝までの家電使用場所を書き出す

2. 今だけでなく、数年後のライフスタイルも想定

ロボット掃除機やEVなど、将来的に使いたいものも考慮

3. “ちょい使い電源”のスポットを意識する

ベッド、ソファ、作業スペースなど、“充電場所”を優先

4. モデルハウスでは“使う前提”で動いてみる

スマホやPCを持って家の中を歩いてみるのが◎

5. ハウスメーカーに「家電ごとの電源一覧」を依頼

提案された配置が“実際の使い勝手”に合っているか要チェック

結論:暮らしに寄り添う“見えない設計”が未来を変える

間取りや内装にこだわるのと同じくらい、コンセントの配置には配慮が必要です。それは、「毎日の快適さ」をつくる裏方の存在。

「ここ、最初から電源あったらなあ…」と住んでから気づく前に、今できることがあります。

それは、実際に見て、動いて、考えること。

モデルハウスの見学は、“自分の暮らしに合った配線”を見つける最良の場です。ぜひ、ただ眺めるだけでなく「ここで何をどう使うか?」を意識して歩いてみてください。

未来の自分が「よく考えてよかった」と思える配線計画を、一緒に描いていきましょう。