“坪単価60万円”のワナにハマるな!建築費の数字に隠されたリアルを知れば、あなたの家づくりは失敗しない #column

この記事を読めば分かること

  • 坪単価60万円の意味と落とし穴
  • 住宅構造による費用の違い
  • 「建築費=本体工事費」ではない理由
  • 家づくりの費用構造(本体・付帯・諸経費)の割合
  • 予算の立て方と見積りで損しないポイント

はじめに

ある晴れた休日、あなたは家族と一緒に住宅展示場を歩いていました。
「この家は坪単価60万円です」と営業担当者に言われ、「へぇ、意外と手が届きそうかも…」と、ちょっとワクワク。けれど帰り道、ふと思います。
「そもそも“坪単価”って、なに?」

この言葉、住宅づくりの現場では当たり前のように使われていますが、実は正しく理解していないと危険です。
数字だけ見て「安い」と思って契約し、後から「追加費用だらけ!」と後悔する人も多いのです。

この記事では、注文住宅の“坪単価”の正体や、建築費の見えない部分について、まるで友達に話すようなやさしい言葉で解説していきます。

坪単価ってそもそも何?

「坪単価」とは、1坪(約3.3㎡)の家を建てるためにかかる金額のこと。
たとえば「坪単価60万円」と言われたら、30坪の家なら約1,800万円、という計算になります。

でも、この数字、実は“全部込み”の金額ではありません。多くの場合、「建物本体」だけの金額で、住むために必要な費用が別にかかってきます。

家の作り方次第で、単価は変わる

家の構造によって、必要な材料や工法が変わるため、坪単価も変わります。

  • 木造住宅:コストが抑えやすく、自然素材の温もりが魅力
  • 鉄骨住宅:耐震性や耐久性が高く、その分費用もアップ
  • RC住宅(鉄筋コンクリート):マンションのような重厚感、価格もハイグレード

たとえば、木の香りが広がるリビングに憧れるなら木造、鉄壁の安心感が欲しいなら鉄骨やRCを選ぶことになります。

同じ“60万円”でも計算方法で差が出る?

坪単価は「家の広さ」で割った金額ですが、この「広さ」にも実はカラクリがあります。

■延床面積で計算する会社

延床面積=実際に室内として使える部分だけで計算。玄関ポーチやバルコニーは含まれません。

■施工床面積で計算する会社

施工床面積=建築上の全体の面積で計算。外まわりのスペースも含めるので、その分坪数が増えて単価が安く見える傾向にあります。

数字の見せ方ひとつで、印象はガラッと変わるんです。

「本体工事費」だけじゃ住めない!

坪単価が表しているのは「本体工事費」。つまり、家の骨組みや壁・屋根・内装など“箱”の部分だけ。
けれど、そこに住むにはもっと多くの費用が必要です。

たとえば…

  • 水道やガスの引き込み工事
  • 照明やエアコンの取り付け
  • 外構(庭・フェンス・駐車場など)の整備
  • 各種保険や登記費用、税金

これらはすべて「別料金」。見積もりを取ってはじめて、「思っていたよりずっと高い…」と驚く人が多いのです。

家の費用は「3階建て」で考える

注文住宅の予算は、次の3つの柱で構成されています。

  1. 本体工事費(約7〜8割)
     → 家そのものの建築費
  2. 付帯工事費(約1〜2割)
     → インフラ整備、外構工事、空調機器など
  3. 諸経費(5%前後)
     → 各種申請費、保険、登記、ローン手数料など

つまり、「坪単価60万円で建てられる」と思っていても、最終的には1.3倍〜1.5倍くらいの総費用がかかるのが一般的です。

まずは「これ以上出せない金額」を決めることから

家づくりで一番大事なのは、「いくらなら払ってもいいか」を最初に決めることです。

  • 毎月のローン返済額はいくらまでOK?
  • 自己資金はどれくらい用意できる?
  • 土地は買う?持ってる?
  • 頭金・諸経費を考えたら、建物にかけられる費用は?

これらを家族で話し合っておくと、プランがブレず、安心して計画が立てられます。

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複数社から見積もりを取ると、世界が変わる

最後に超重要なポイント。それは「1社だけで決めない」こと。
同じ30坪の家でも、A社とB社では数百万円の差が出ることもあります。

だから…

  • 条件を統一して
  • 複数の工務店やハウスメーカーに見積もり依頼し
  • 価格・仕様・保証を比較する

そうすれば、「理想に近くて、予算にも合う」納得の家づくりが見えてきます。

まとめ

  • 坪単価は「家を建てる参考価格」だが、総額ではない
  • 家の構造や会社ごとの計算方法で金額に差が出る
  • 「本体」だけでなく「付帯」「諸経費」も見逃さないこと
  • 家づくりは“予算の上限”から逆算して考えるのが鉄則
  • 見積もりは複数社から取って、価格とサービスを見比べよう